プレミアリーグ第27節 アーセナルVSリヴァプール

アーセナル

フォーメーション

ハイライト

前半

 5連勝と勢いに乗るアーセナルは、2位の難敵リヴァプールをホームで迎えた。
リヴァプールもこの試合に勝てば、シティとの勝ち点差が1に縮まるため、両者負けられない戦いだ。

 前半最初いきなりリヴァプールのコーナー地獄。アーノルドの高性能キックが飛んでくるも何とか防いだ。アーセナルは今季いまだコーナーからの失点0という素晴らしい成績を残している。

3分のトーマス⇒ジャカ⇒ラカゼット⇒ウーデゴールとつないだ中盤の回しは見事!
リヴァプールの強烈なプレスをうまく回避した。

 前半序盤はリヴァプールがボールを保持し、アーセナルが奪ったら前線に早く繋ぐという展開。
14分、ガブリエルのロングフィードをマルティネッリが頭でティアニーとワンツー。
サイドでそのボールをもらったマルティネッリはアーノルドをうまくはがしてグラウンダーのクロス。

惜しくも入らなかったが、マルティネッリの動き出しの良さと突破力が光ったシーンだった。

 アーセナルはトーマスが前を向ける状態でボールがもらえるといい形に入れる傾向がある。
リヴァプールもそれを分かっているので、ジョタがパスコースを塞ぎ、ボールが入ると中盤3枚の誰かが激しくプレスに来る。
20分には前を向いてボールを持てたことで、サカへの惜しいフィードがあった。

 22分、左サイドからジャカのロングフィードを右サイドでサカが受ける。
サカより内側で上がってきていたセドリックにパス。セドリックは逆足でシュートも入らず。

やはりジャカの正確無比なロングフィードは一気にチャンスを作れる!
左でボール保持し、相手を左に寄せたところで右に展開したため、フリーでボールを受けられた。

 23分、シュートまではいけなかったが個人的にアーセナルらしさが出たシーン。
右でサカ、セドリック、パーティが繋ぎ、そこからホワイト、ガブリエル、パーティと繋がり、ワンタッチで逆サイドのティアニーへ。そのまま前のマルティネッリにボールを渡し、一気に敵陣内へ攻め込んだ。取られた後も、パーティがすぐさまジョタに入ったボールを刈り取ってチャンスを摘んだ。

このシーンはパーティが素晴らしすぎた。右での細かいパス回し、CBから受けて逆サイドへのダイレクトでの展開、ボールを奪われた後の素早い攻守の切り替え。
繋ぎ役としても、潰し役としても非常に優秀なプレーでした。

 32分、ガブリエルの鋭い縦パスをラカゼットが巧みなトラップとターンでマティプをはがす。
そこから中央に入ってきていたマルティネッリ⇒ウーデゴールと繋がり、ラカゼットへのパスは流れたが、上がってきたジャカにバックパス。惜しくもジャカのシュートorクロスは枠外へ…

ラカゼットは下りたところでのキープや展開がとても上手く、2列目の選手の好調をキープできているのは彼の力によるところも大きい。

 44分、リヴァプールの攻撃。
アーノルドのスーパーロングパスが前線のマネにつながり、あわや失点というシーン。
ガブリエルが最後まであきらめずに詰めてくれたおかげで回避できたように思う。
アーノルドのロングパスは形成を一気に逆転できるのでほんと恐ろしい…

前半終了

後半

 後半早々、リヴァプールの攻撃。左のロバートソンから下りてきたジョタにパスが通り、中央でフリーのヘンダーソンにつながる。そこから斜めに走ってきたマネにスルーパスが出て、シュートを打たれ失点かと思ったが、オフサイドの判定。

 50分、この試合アーセナル最大のチャンス。
リヴァプールMFチアゴがGKに戻そうとしたボールをラカゼットが奪い、GKと一対一に。
上がってきたウーデゴールに落ち着いてパスし、ウーデゴールも狙いを定めてシュートを打つも
相手GKアリソンがナイスセーブ。惜しくも得点にはならず。これが入っていれば…泣

 53分、リヴァプールの攻撃。ハーフライン付近で受けたチアゴから、マネが中央に流れたことによってSBとCBの間に生まれたスペースに走りこんだジョタへ絶妙なスルーパス。それをスピード落とさずに受けたジョタはえげつないシュートをぶちかまし、リヴァプール先制。
これはジョタを誉めるしかない。動き出し、トラップ、シュートすべてが一級品でした…

後半はリヴァプールの前線に変化があったのか、ジョタをとらえきれないシーンが多々あったように感じた。こういう柔軟にポジション変えてくるチームにも対応できるようになるとより守備の練度が増すはず。

 62分、リヴァプールの攻撃。ガブリエルからボールを奪ったフィルミーノが右からマイナスにクロスを送るが、その決定機は何とか防ぐ。クリアを拾ったロバートソンのシュートをサカが防ぎ、そのまま前線へパスするも、ロバートソンへ当ててしまう。
そのボールを拾ったロバートソンが左サイドからGKとCBの間を縫ったグラウンダーのクロスを展開。
中にいたフィルミーノが巧みに合わせ、追加点。
これもロバートソンのクロスとフィルミーノのワンタッチがうますぎる…

 87分、アーセナルのビッグチャンス。
右サイドのスミスロウから中央のパーティへ繋ぎ、パーティがダイレクトパスで相手の中盤をいなす。
フリーで受けたジャカは余裕をもって左サイドのマルティネッリに展開。フリーのマルティネッリは狙いすましたコントロールショットを打つも、ギリギリ右枠外へ。

パーティのダイレクトパスは今までのリズムを崩す絶妙なプレーでした。
マルティネッリのコントロールショットも決まっていれば超絶スーパープレーでした…

 これで試合は終了し、アーセナルは0-2の敗戦。リヴァプールはこの勝利で首位シティと勝ち点1差まで詰め寄った。

試合終了

感想

 前半はとてもよかった。パーティ、ジャカ、ウーデゴールを中心にパスをうまく回せていたし、
リヴァプールの右SBアーノルドの守備の脆さを狙って、マルティネッリのところで積極的に勝負を仕掛けていて、実際チャンスも多く作れていた。
守備も前述の中盤3枚が相手の中盤に自由にボールを持たせなかったし、両サイドバックの攻め上がりもサカとマルティネッリがケアしており、ほぼリヴァプールに何もさせなかった。
攻守ともに素晴らしい出来だった。

 しかし後半は頻繁にポジションチェンジを繰り返すジョタ(フィルミーノ)、マネに誰がマークにいくのかが曖昧になってしまい、オフサイドの幻のゴールや、ジョタの1点目のような状況を招いた。
攻撃もアーノルドが徐々にマルティネッリに順応してきたため、なかなか左サイドからチャンスを作り出すことができなくなっていた。
右サイドもウーデゴールが激しいプレスの前に、今まで見せてきたドリブルやパスが影を潜め、単調な攻撃に終わってしまっていたように思う。
中堅チームに発揮できた技術を、強豪にも出せるようになれれば、彼は本当に超一流の選手になれる。なれると思うし、なってほしいのでこれからの成長に期待。

 この試合のアーセナルMOMはパーティ。素早い攻守の切り替えでカウンターの芽を摘んだり、
相手の中盤の選手や下りてきた選手を的確に潰しにいくなど、守備の貢献度はもちろんのこと、
ビルドアップの参加や、縦パスによる攻撃のスイッチを入れる役割、逆サイドへの展開といった
攻撃面での貢献度もめちゃくちゃ高かった。
パーティ覚醒のおかげでジャカが高い位置を取れるようになり、攻撃時のロングパスや中距離パスといったバリエーションが増えて、攻撃の厚みが増したように思える。

最近はようやくアトレティコ時代の輝きを取り戻してくれたようで、ファンはとても嬉しい。(笑)

前回対戦の時よりは着実に成長が見えたアーセナル。
敗戦を引きずらずに、CL圏内に向けて着実に勝ち点を積み重ねていってほしい。

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